斎藤兆史『努力論』 [本]
『英語達人列伝』(中公新書)はべらぼうに面白かった。
突き抜けた人たちというものは、その努力と志においても、まさに「次元が違う」のである。
我が身と引き比べるにはあまりに凄すぎて、そのレベルの違いにむしろ爽快感さえ感じたものだ。
本書はそれを英語以外の分野にも広げたもので、様々な分野でたぐいまれな業績を上げた人たちの超人的な努力ぶりを描いている。
取り上げられたエピソードが多いため、どうしても『達人列伝』の濃厚さには欠けており、私としてはちょっと物足りなかった。細部にこだわらない分、どうしても精神論に傾きがちなのである。
「達人たち」はたしかに高い志を持ち、並外れた努力を厭わなかい「偉い人たち」であった。
が、それと同時に、その徹底ぶりは正直「異常なんでね?」と思わざるを得ない部分があり、「偉い人たち」はまた常軌を逸した「変な人たち」でもあることが面白かったのだ。
それが本書では、「偉い」部分に力点が置かれており、「この人たちを見習って頑張れ」「努力は裏切らない」という話になってしまう。
とはいえ、精神論にもそれなりの効用はあるのだろうし、今どき努力自体の価値を語るのは、反時代的であるゆえの面白さがある。
「そのままでいいよ」と「結果を出せ」の二極化した言説ばかり目立つ状況下では新鮮なのかも。
まあ、私はやっぱり『達人列伝』のが好きだが。
突き抜けた人たちというものは、その努力と志においても、まさに「次元が違う」のである。
我が身と引き比べるにはあまりに凄すぎて、そのレベルの違いにむしろ爽快感さえ感じたものだ。
本書はそれを英語以外の分野にも広げたもので、様々な分野でたぐいまれな業績を上げた人たちの超人的な努力ぶりを描いている。
取り上げられたエピソードが多いため、どうしても『達人列伝』の濃厚さには欠けており、私としてはちょっと物足りなかった。細部にこだわらない分、どうしても精神論に傾きがちなのである。
「達人たち」はたしかに高い志を持ち、並外れた努力を厭わなかい「偉い人たち」であった。
が、それと同時に、その徹底ぶりは正直「異常なんでね?」と思わざるを得ない部分があり、「偉い人たち」はまた常軌を逸した「変な人たち」でもあることが面白かったのだ。
それが本書では、「偉い」部分に力点が置かれており、「この人たちを見習って頑張れ」「努力は裏切らない」という話になってしまう。
とはいえ、精神論にもそれなりの効用はあるのだろうし、今どき努力自体の価値を語るのは、反時代的であるゆえの面白さがある。
「そのままでいいよ」と「結果を出せ」の二極化した言説ばかり目立つ状況下では新鮮なのかも。
まあ、私はやっぱり『達人列伝』のが好きだが。
日本人に一番合った英語学習法―明治の人は、なぜあれほどできたのか (祥伝社黄金文庫)
- 作者: 斎藤 兆史
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2006/03
- メディア: 文庫
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