田口ランディの「自分の頭で考え」るとかに思う

田口ランディさんがこんなことを書いている。
http://runday.exblog.jp/11983956/

2005年の総選挙のときは、ワタシは自分が日本国民であることがほとほと嫌になるほど、がっかりした。なんだ、あの変な盛り上がりは？あの茶番は？あのミエミエの小泉劇場のシナリオは？という感じでなにもかも嫌になり、それで小泉総理の悪口ばかりブログに書いていたように記憶する。

基本的に全く同感である。
私も「大変なことになるのになあ…」と思ってたし、飲みの場ぐらいでは言ってもいた。

あれから4年たって、あのときの選挙はなんだったんだ？って、みんな思っているよね。思ってほしい。 自民党はしばらく野党になって、もう一度自分たちの政党を建て直してください。何十年も権力の座にいれば誰だって頭が変になるものです。二世、三世議員を送り出すのをやめてください。 公明党は組織票でもって、権力にすり寄るのをやめてください。政治と宗教は切り離して考えてください。自分の頭で考えて、自分が誰を支持するのか、自分で決めよう。自分の生活に影響が及ぶことです。

しかし、どうなんだろう？
四年前、自民党に投票した人たちは「自分の頭で考えて」いなかったのだろうか？
そんなことはないだろう。
彼らは自分で「小泉の言ってること正しそうじゃない？」と考えて決めたのだ。
「自分の頭で考えて、自分が誰を支持するのか、自分で決め」たのだ。
ただ、考えが足りなかっただけだ。

田口さんは、みんなが「自分の頭で考え」れば、田口さんと同じ結論に達すると思ってるのだろう。
だから、「自分の頭で考え」ろなどと言う。

しかし、本当に「何十年も権力の座にいれば誰だって頭が変になるもの」なのだろうか？
本当に「政治と宗教は切り離して考え」るべきなのだろうか？
「二世、三世議員」は一律に禁止しなければならないほど悪弊の固まりなのだろうか？

もし、私が本気で「自分の頭で考えて」これらのことに結論を出そうとしたら、間違いなく衆議院議員選挙には間に合わないだろう。
田口さんは、自分がそう考える根拠を何も提示してくれないし。

私が田口さんの言い方にいらだちをおぼえてならないのは、明らかに野党に投票するよう呼びかけておきながら、「自分の頭で考えて」投票しろ、などとおためごかしを言うところである。
一方でプロパガンダに精を出しておきながら、一方で中立を装うその態度である。

もしも有権者が「自分で考えて」自公が大勝したら田口さんは満足なのだろうか？
私にはそうは思えない。

おそらく、今度の選挙で野党は勝つだろう。
しかし、それは有権者が本気で「自分の頭で考えて」投票したからでなく、田口さんを含めたメディアの言説に流されたからだろう。

それは、四年前と何ら変わりはしないのである。

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